アイデンティティの否定


年金「4年で全件照合」断念、半分以下に後退 - 読売新聞

長妻厚生労働相は12日、年金記録問題の対応策の一環であるコンピューター上の記録と過去の紙台帳記録約8億5000万件との照合について、2013年度までの全件照合完了という目標を見直す方針を固めた。

年金記録の全件照合については、自公政権が10年かかると見積もっていたことに対し、野党時代の長妻氏は2年間での全件照合完了を強く要求した経緯がある。

データ不備については時間をかけて確認修正するにせよ,2年でやるのはいくら公約したからといっても無理なものは無理でしょう。まあ前政権に責任を負わせれば約束を違えたという追求は逃れるのかもしれませんが,そうした批判よりもむしろ,年金のデータ不備が社会保障の主問題であるかのように煽った過去の言動がまさにブーメランとなって大臣自身を攻撃するんじゃないでしょうか。結局自己のアイデンティティを否定するところまで追い込まれるのは自業自得とはいえ,なかなか大変そうです。ドラマの世界なら,全てを失った主人公が再起して人間的に成長する姿を描いていくのでしょうけど,現実の社会状勢ではそこまで見守る余裕はさすがにないと思います。