2015年のまとめ

更新も年数回となってしまった当ブログですが,恒例なので年末エントリをあげておきます。本業は相変わらずバタバタしていますが,有難いことに当ブログとともに8年目を迎えなんとか潰れずにいます。医療政策的には高齢社会の節目となる2025年まであと10年ということで地方自治体レベルでもいろいろなプロジェクトやら委員会やらが立ち上がっていて,在宅医療に関わっている当院も否応なくそのビッグウエーブに飲み込まれつつあるといったところでしょうか。

2025年へのカウントダウン―地域医療構想・地域包括ケアはこうなる!

2025年へのカウントダウン―地域医療構想・地域包括ケアはこうなる!

 

  

医療ブログ的には,数年来の議論の末に医療事故調がいよいよ動き出した特筆すべき年ということになるんでしょうけど,実際には拍子抜けするくらい話題になりませんでした。本来公正な医療事故調査に必要だったはずの第三者機関の議論が期待していなかった方向に進んでしまい,関心が失われたということになるのかもしれません。当方も結局1回だけエントリに取り上げるだけで終わってしまいました。

 

今年の一冊 

経済政策で人は死ぬか?: 公衆衛生学から見た不況対策

経済政策で人は死ぬか?: 公衆衛生学から見た不況対策

 

 不況時に国が公共部門に対する支出を削減することで多くの命が失われ,結果として景気の足も引っ張ることになるという主旨で,言われたら当たり前のようですが実際にこれまでそうした経済政策が何度となく実行に移されてきたことが実例とともに挙げられています。歴史的にも話としては別に目新しいものではないようですが,だとすればなぜ分かっているのにそうした過ちを繰り返すのかというあたりを考えたほうがいいのかもしれません。ちなみに日本はこの中に具体的には取り上げられていませんが,サブプライム不況後の国際比較では公共部門への支出を増やすことで景気回復が早かったグループに分類されています。その多くは社会保障費でしょうから,その増大を単なる懸念材料とだけ捉えるのは一面的ではないかと個人的には思うのですがどうなんでしょうか。

 

今年の一本

キングスマン(字幕版)

キングスマン(字幕版)

  • マシュー・ヴォーン
  • アクション/アドベンチャー
  • ¥2000

 007シリーズをはじめスパイ映画がシリアス路線に走る風潮の中でかつての荒唐無稽なスパイ活劇へのリスペクトをこめた作品です。元ネタを知っていれば楽しめる仕掛けがあり残念ながら当方は勉強不足でよく分からないところもありましたが,それでも十分楽しめました。今年はマッドマックスやスターウォーズエピソード7といった話題作もありますが「見ていて楽しい」の一点でこれを挙げます。

 

というわけで今年の更新はこれで終了です。来年も同じような調子になるとは思いますが,出来るだけ頑張って更新したいと思います。一年間ありがとうございました。