報道

新聞社の凋落

新聞社―破綻したビジネスモデル (新潮新書)作者: 河内孝出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/03メディア: 新書購入: 4人 クリック: 93回この商品を含むブログ (105件) を見る最近新書ばかり読んでいますが診療の合間には丁度よくて,診療が空いている日なら…

新聞記者の心理

新聞やテレビでの科学的合理性が欠如している報道が多数見受けられることについては,既にあちこちで指摘されてきたし当ブログでも取り上げてきました。興味があるのは,当の記者がその事に対してどういう認識を持っているかということです。科学的に誤った…

To err is newspaper

医療事故目前の「ヒヤリ・ハット」、昨年19万件も(Cache) 読売新聞 2007年7月18日システム事故における「ヒヤリハット」報告の意味を分かっていない記事で,いまどき全国紙がこんな論調で扱うことにむしろビックリしました。

日雇い公務員

駄犬日誌さん経由毎日新聞より。 公務員:中央省庁の4人に1人「日々雇い」有給休暇なく(Cache) 毎日新聞 2007年7月17日 何だかどこかで聞いた話です。給料は日雇いバート職員で労働量は正職員並みという感じなんでしょうか。時間外労働のことは書いていま…

撤収準備

かつて北海道新聞が医師の名義貸し追求のキャンペーンを張ったことがありました*1。発端は札幌医大某医局の関連病院だったのですが,他の医局にも同じような事例があることが明らかになり,北海道新聞の社会面に毎日のように「名義貸し」の文字が躍っていた…

焼け医師に水

新聞の社説というものは大概周回遅れと相場は決まっているのですが,ネタとして取り上げてみました。 医学部の定員という蛇口を閉めたままで、あれこれやりくりしても、焼け石に水ではないか。 医師の確保―医学部の定員を増やせ(cache) 「焼け石に水」という…

医師派遣制度の進捗状況

地域の医師不足や診療科ごとの医師偏在を解消するため、厚生労働省は地域が進める医師確保策を支援する態勢づくりに乗り出す方針を固めた。医療関係者でつくる「地域医療支援中央会議(仮称)」を同省内に置き、都道府県に具体策を助言するほか、医師数に余…

外来コンシェルジュ

いわゆる「3時間待ちの3分間診療」と言われる状態を改善する方法はあちこちで議論されているところですが,解決策として交通整理する人員を配置すればいいのではないかという意見は当然あるかと思われます。それを実際に導入した試みです。 医療現場にも『コ…

絶対数が不足

m3で拾った共同通信の記事から。全国紙に転載されるかはどうか不明なので貼っておきます。内容は妥当なのですが従来の報道姿勢も考慮して評価したいと思います。 絶対数が足りない 医学部の定員増が不可欠 核心評論「政府の医師不足対策」 共同通信 2007年6…

医師不足の基準

「医師が不足している」というのは,素直に考えれば適正な診療に必要とされる医師の人員に比べて実際に勤務している医師の人員が足りないことを意味していると思います。かつて「医師不足」が顕在化していない時代*1であっても,医師が適正な勤務実時間を守…

報道機関への抗議

NPO法人えじそんくらぶ - フジ意見書 偶然見つけたのですが,フジテレビに対して放送内容の抗議を行ったNPO法人のサイトです。注意欠陥多動性障害に関しては詳しくないので内容についてはコメントは控えますが,書簡のやりとりは不謹慎な言い方ですが迫力満…

「真実」の究明4

奈良・妊婦転送死亡:遺族、大淀町と担当医提訴 「異常見過ごした」(cache) MSN毎日インタラクティブ 2007年5月24日 提訴に関する各社の報道を見守っていましたが,基本的に原告側の訴えを客観的に伝えるだけの簡単な記事がほとんどでした。裁判はこれからと…

週刊朝日の記事

どんな議論の場であっても厳しい言い方をしたり極論めいた発言が出ることはある割合で見られるわけで,議論の流れを無視してそこだけ取り出せばその議論そのものが不適切であるという印象操作になってしまいます。特にこのようなクローズな場での議論につい…

看板の掛け替え

数日前から話題に上がっている診療科名再編の件ですが,意図するところがどうもよく分かりません*1。現行の診療科名が複雑で分かりにくいのはその通りかも知れませんが,そもそも総合科を新設したのは初診の患者さんが専門科を最初から受診しないのが目的の…

最後は自宅で

在療診に関する読売新聞の記事です。 在宅療養支援診療所…「最期は自宅で」 課題は数と地域差(cache) Yomiuri online 2007年5月17日 1950年代には日本人の8割が自宅で死亡していましたが、近年は病院での死亡者が8割を占め、自宅は12〜13%と少数…

想像力の欠如

新生児を想定していたところに3歳児が置いていかれることは「想定外」だそうです。新聞記者はともかく,少なくともシステムの当事者がまったく想定していなかったということはないでしょう。どのような事情にせよ自らの子供をポストに「預ける」という行為は…

異議申し立て2

先日(4月24日)の定例会見で厚生労働省に反論した日本医師会ですが,あらためて反論を行っているようです。 日本医師会 開業医の管理強化を懸念 厚労省報告書に反論 じほう 2007年5月14日 日本医師会は9日の定例記者会見で、今後の施策の方向性をまとめた厚生…

自治医科大学化計画

医師不足に対する政府与党の目玉となる対策は「へき地枠」とのことです。北海道から離れてあまり読まなくなった道新サイトですが,現時点で他に掲載している新聞がないのでここから引用しておきます。医学部に「へき地枠」 医師不足で政府、与党(cache) 北海…

偏在解消

医師の全国派遣を検討 政府・与党、偏在解消へ新制度(Cache) Asahi.com 2007年05月10日 「100km2あたりの医療機関で働く医師数」というのは斬新な概念です。統計的にどういう意味があるのか分かりませんが。 追記:勤務医が本当に「偏在している」のかどうか…

逃げたい

医の現場 疲弊する勤務医 (5)開業医へ「逃げたい」(cache) Yomiuri Online 2007年5月4日 日本私立医科大学協会によると、医師1人を育成するのに約1億円かかり、税金で賄う部分も少なくない。そんな医師たちに社会は何を求め、どう支えるか。 来年予定さ…

最重要課題

医師不足は最重要課題とのことです。いつのまにか随分格が上がったものです。各方面でさんざんツッコミを入れられているので今さらなのですが...。 政府・与党、医師不足対策協議会立ち上げへ(cache) Sankei Web 2007/05/09 自民、公明両党の幹事長、政調会…

異議申し立て

...と言っていたら日本医師会から異議申し立てのニュース。会長の発言ではないようですが,日本医師会としての公式見解と受け取っていいんですよね?がんになっても、あわてない - 日本医師会が厚労省へ異議

開業医も動員3

先日から頭の中に「お前のように勤務医から脱走して開業するような輩が全ての元凶だ。24時間オンコールの呪縛からはにげられないぞ」という声がはっきり聞こえるのですが幻聴でしょうか。冗談はともかく,開業医動員の件ですが,「今後は...」といった曖昧な…

「真実」の究明3

転院断られ死亡の妊婦、詳細な診療情報がネットに流出 2007年4月29日 読売新聞(cache) これを読んで感じたことはある町医者の診療日記さんの記事でほぼ言い尽くされていました。当時の毎日新聞の記事(cache)と良く比較検討してみるべきでしょう。

「真実」の究明2

被害者の視点を忘れずに産科医療について考えるシンポジウムが28日、大阪市内で開かれた。産婦人科病院「堀病院」(横浜市)と奈良県大淀町の町立大淀病院の医療事故の被害者遺族らが参加。産婦人科医不足の原因に被害者らによる訴訟の多さも理由とする声…

政争の具

自民党は27日、医師不足対策を協議する特命委員会(委員長・中川昭一政調会長)を発足させた。地域の拠点病院からの医師派遣を制度化し、小児科、産科の医師不足を解消する案などを検討する見通し。6月をめどに緊急対策案をまとめ、参院選マニフェストに…

カモカのおっちゃん

医療制度改革:開業医対象、総合診療に公的資格 在宅医療を推進−−厚労省方針 毎日新聞(魚拓) 2007年4月22日 開業医に「総合診療医」の資格を与える厚生労働省方針は、「もっと腕を磨き、働いてほしい」という同省の開業医に対するメッセージにほかならない。…

開業医も動員2

開業医を時間外診療に動員する件ですが,その後続報がありました。まずはアサヒコム4/14の記事から。 厚生労働省は13日、今後の医療政策の方向性として、大病院や専門病院は一般的な診察はせずに入院と専門的な外来に特化する一方、開業医に対しては休日・…

開業医も動員

脱出後は当直やオンコールで起こされなくなったのは有り難いのですが,未だに救急車のサイレンが近くで聞こえると動悸を自覚します。救急車が走っていると言うことはその先で誰かが呼び出されているわけで,そう簡単に無関心にはなれません。奴隷根性が抜け…

ようこそ北海道へ

北海道は確かに広くて気分はいいし食べ物はうまいし,いいところです。ただ実際に住むとなるとその広さ故にインフラが行き届いていなかったりします。医療もまたしかり。特に医療崩壊が顕在化してからは,いざ搬送となったときの受け入れ可能な医療施設への…