政権政策の重箱の隅

参院選挙を控えて民主党が「政権政策」資料を公表しています。公示後に提示される正式なマニフェストの概要ということですが,大筋は同じになるのでしょう。税制改革といった主要政策に関してはきっと他でツッコミが入ると思われるので,当方は重箱の隅をつ…

規制緩和と社会保障

昼休みにふと思いついたことですが…国際的に比較すると,日本の経済に対する政府の財政規模は小さい,ということらしいです。一方で政府による規制が厳しい国であることもしばしば指摘されます。これらを前提にして乱暴にまとめると日本の場合「口は出すけど…

はやぶさ帰還

今夜「はやぶさ」が地球に帰還するということで,ネットでも中継されるようです。回線の混雑で転送が遅れますとのことですが…ここまで待ったのだから今更数10分待つのは構わないんですが,中断したら困りますね。地上波では放送しないんだろうなあ。 追記(23…

Safari5+機能拡張

Mac

Apple謹製ブラウザのSafariがひっそりとバージョンアップされていました。謳い文句通りサクサク動くのがなかなかいい感じですが,今回からFirefoxやChromeなみに機能拡張対応になったんですね。まあ,あまり拡張を入れすぎて重くなっては意味ないですが…。さ…

乳がん検診キャンペーンの科学的根拠

TBSがおこなっている乳がん検診のキャンペーン(cache)が専門的知見から問題視されているとの記事(cache)です。要望書を提出したひとりである上野先生のTwitter経由で知りました。 乳がんのため24歳で亡くなった女性を取材した番組「余命1カ月の花嫁」をき…

もしiPadで電子書籍の「もしドラ」を読んだら

これまでも電子書籍というのはあるにはありましたが,価格設定がどうにも割高なのと出版社の提供する専用リーダーの多くがMacに非対応だったりということもあり,無料の青空文庫を何冊か読んでみたくらいで手を出さずにいました。このたびせっかくiPadを入手…

無過失補償制度への認識

ロハスメディカルでの井上清成弁護士と元厚労相政務官の村重直子氏が無過失補償制度について対談されていますが,とても興味深い議論でした。 公平さまで含めた意味での適正さで、できるだけ多くの人が公平に救済できるようにするのが大切でしょう。同じ皆保…

国民負担についての争点

民主党は鳩山氏が降板し新たな党首を立てて参院選挙に臨むことになりました。次期党首と目される菅財務大臣は消費税増税を主張していましたから,持論が変わらければ*1マニフェストもそうなるのでしょう。方針としては「高負担高福祉」に舵を切ることになり…

iPadを使ってみました2

iPad発売から数日,とりあえず基本性能を一通り体験したあとはアプリをいろいろと物色しているところです。とはいえネットを閲覧することに関しては付属のSafariとMailの完成度がかなり高いので,それで大概の用は足りてしまいます。Flashに対応していないの…

iPadを使ってみました

iPhone/iPod touchはずっと静観していましたが,今回のiPad祭りには参加してみました。冷静に考えるとどうしてもなければ困るわけではないのですが,所有欲を満たすこと自体が目的になるという本末転倒なことがあるのもまた人間の性ということで…。いちおう…

付録つき厚生労働白書

久しぶりに医療ニュースを取り上げてみます。 「社会保障は、行政と国民との信頼関係なしには成立し得ない。厚生労働省が自らその基盤を崩してしまってきたことは誠に申し訳なく、率直にお詫(わ)びを申し上げたい」。2010年版厚生労働白書は、「お詫び…

失って分かったこと

大病を患ったときに,これまで長い間関心を持たなかった健康であることの大切さに気づくいい機会だ,なんて言われることがあります。もちろん健康の大切さを理解するために病気になるわけではなく,失ってしまったものを受け入れるためのひとつの考え方だし…

「救児の人々」を読みました

救児の人々 ~ 医療にどこまで求めますか (ロハスメディカル叢書 1)作者: 熊田梨恵出版社/メーカー: ロハスメディア発売日: 2010/05/25メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 10人 クリック: 148回この商品を含むブログ (16件) を見るロハスメディカルで先行…

メディアの存在意義

某朝の番組で口蹄疫に関する情報を伝えたあとにキャスターが「われわれがここにいてできることは何もありません。国にしっかりやってもらわないと」という主旨のコメントを述べていました。まあ確かに「絵」を撮るためだけに現場に乗り込んでも足を引っぱる…

政争の具

緊急事態だから責任追及している場合ではないというのは分かるし,本筋とは離れた方向へ議論をミスリーディングすることで政治的に有利になることを意図しているのであれば,災害を政争の具にしていると言われても仕方ないでしょう。とはいえ,今やるべきこ…

ニセ医者騒動と医籍検索システム

岩手県立宮古病院に医師として着任予定の一宮輝美容疑者(44)が無資格だったとして医師法違反容疑で逮捕された事件で、インターネットで医師資格の有無を確認できる厚生労働省のデータベースの存在を病院が知らなかったことが11日、わかった。 ニセ女医…

改めて臨床研修制度を考えてみる

2004年から始まった臨床研修制度に対する評価は,いまだに定まっていないように思えます。予想された効果あるいは欠点がじっさいにどうなったのかは,こうだろうという理屈とはまた別に,できるだけ実証的に評価するべきなんでしょう。もちろん評価しようと…

財政健全化と社会保障政策

社会保障政策に関する民主党のマニフェスト案がまとまったようです。 最終案は、財政健全化の重要性を強調。「財政健全化のため、成長戦略の具体化と推進、社会保障制度の再構築を図る」とする一方で、「抜本的な税制改革(消費税を含む)などによる歳入改革…

大台突破8

昨日の時点でカウンターが800,000に達していました。ありがたいことです。今年になって毎日更新を目指していましたが,そのうち土日くらいは休んでもいいかと思い始め,平日の更新もいったん途切れると集中力が切れてしまい,気がつくといつの間にか元通りの…

iPad発売決定

iPad、5月28日に米国外の9カ国でも発売開始 来週の月曜日から予約開始というプレスリリースが出てました。またひとつフラグが立ったというところでしょうか。製品のイメージを掴むために動画をいろいろ検索していたところ,何でもかんでもミキサーにかけてし…

連休前の対応

連休前にかかりつけで咳止め2週間分、「熱が出た時用」抗生物質1週間分を出されたという子どもが、 熱が下がらないと来院。いくら連休中休診でもこんな処方はNGだ。親もこんな処方に喜んだり安心したりしてはいけない。これは「念のため」ではなく「テキトー…

医療事故の再発防止と情報公開

医療ガバナンス学会に掲載された院内事故調査委員会に関する小松秀樹先生の論文です。 東京女子医大院内事故調査委員会:医師と弁護士の責任(その1) 東京女子医大院内事故調査委員会:医師と弁護士の責任(その2) 東京女子医大院内事故調査委員会:医師…

議論の前提

一方にとっては当然の前提条件であっても相手にとってはそうでない状況で議論を続けていても,双方にとって得るものはあまりなさそうです。事実かどうかについては白黒つける余地もあるでしょうけど,その事実をもとにした価値判断について決定的な相違があ…

大きいことへのニーズ

Mac

連休をいいことに一週間ほど更新を休んでいましたが,某所でも呟いているのでネットから離れているという気はあまりしないです。まあ,あまり間隔が開くのもどうかと思うので何か書いておきます。アメリカで先行販売されたiPadはあのiPhoneよりもよく売れて…

事業仕分けと社会保障政策

あくまで報道を踏まえた個人的見解ですが,事業仕分けによってこれまで手付かずだった公的機関の運営が見直される契機になるとはいえ(その効果を見極めるにはある程度の時間がかかると思われます),当初謳っていた原資が捻出できない時点で,現政権において…

映画「ディア・ドクター」

ディア・ドクター [DVD]出版社/メーカー: バンダイビジュアル発売日: 2010/01/08メディア: DVD購入: 5人 クリック: 106回この商品を含むブログ (178件) を見る患者さんが抱く期待と幻想に応える実力がないことを自覚しながらずるずると頑張ってしまう医師の…

花見日和

久しぶりに晴天に恵まれた日曜日,近くの公園を散策。桜の花は天候不順のためかこの時季でも満開一歩手前といった感じ。それでも桜の木の下でお弁当を広げて家族と過ごす時間は何にも代え難い貴重なものです。

自分の感覚はあてにならない

歯痛の謎:「脳は場所を特定できない」 - WIRED VISION 関連痛の話題を一般向けに解説した記事です。歯に限らず,神経の末端から中枢に至る経路のどこかで情報が交錯して実際には異常がない部位に痛みを感じるというのは,医療者にしてみれば基本的な知識で…

医療業界の経済効果

週刊 ダイヤモンド 2010年 4/24号 [雑誌]出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2010/04/19メディア: 雑誌購入: 3人 クリック: 24回この商品を含むブログ (6件) を見る経済専門誌でもこういう特集が組まれるくらいで,ここ最近とみに医療・介護による経済…

「かかりつけ医」政策への個人的見解

患者さんが専門医を直接受診することで負担がかかっているので「かかりつけ医」「総合医」を育成してそちらを受診するようにすればいいという見識があって,確かにうまくいけばよさそうな話に聞こえるし,だからこそ厚生労働省も学術団体も日本医師会も(それ…