医療政策

Drコトーは総合医のヒーロー

厚労省元次官の辻哲夫氏が「総合医」について自説を述べられています。 時間外と往診、それが総合医の条件 - 日経メディカルオンライン(要ログイン) 今議論されている、「総合医」「家庭医」が、地域で求められるようになった背景には、社会の変化がある。死…

パンドラの箱が閉まるかも

首相、厚労省分割案を経財相に指示 諮問会議で - 日経新聞 麻生太郎首相は19日の経済財政諮問会議で、現在の厚生労働省を分割する案を検討するよう与謝野馨財務・金融・経済財政相に指示した。旧厚生省と旧労働省を統合した巨大官庁の非効率な縦割り行政への…

未知の状況における意志決定の難しさ

5月19日の感染地日記 - 新小児科医のつぶやき 感染蔓延地域からの貴重なリアルタイムの報告です。公式にはまだ新型インフルエンザが発生していないとされる地域と比較してみると,図らずも「ガイドライン対策実行による社会実験」の様相を呈しているようにも…

財務官僚から見たインフルエンザ問題

新型インフル、予算面で新しい措置講じなくても対応可=杉本財務次官 - ロイター 杉本次官は、新型インフルエンザ対策について、1)抗ウイルス薬「タミフル」「リレンザ」は十分な備蓄を確保、2)十分な医療体制も整備、3)仮にワクチンを製造する必要が…

医師「宿直」問題というパンドラの箱

いつも拝見している産科医療のこれからで参議院厚生労働委員会での質疑の模様が紹介されていました。最後の方から引用(一部体裁を変更)。 梅村聡議員(51:01) (前略)これによることでパンドラの箱をあけることになるかもしれませんけれど、いままさにここに切…

レセプトデータの使い道

総理大臣の諮問機関である規制改革会議から「規制改革推進のための3か年計画(再改定)」が先日公表されました。レセプトのオンライン請求義務化に関しては自民党内にも反対意見があったようですが,結局見直しは行われず,何もなければこれが既定路線となる…

選挙と医療政策3

南関東某市では市立病院休止を決定した市長に対するリコールが成立したそうですね。市立病院存続を公約に新たな市長が選ばれたとして取り得る選択肢としては,実際に病院を存続して赤字を拡大し続けるか,結局前市長と同様に存続を断念するか,どちらも無理…

後期高齢者医療制度導入1年

後期高齢者医療制度 導入1年 実態は - 産科医療のこれから当ブログ的に言えば1年前と比べると後期高齢者医療制度に関するエントリへの反応が随分変わったように思います。制度が世の中に認知されるのはいいのですが,問題は今後前向きな議論に繋がるかどう…

予防接種への動機づけ

昨年4月から3期(中学1年)と4期(高校3年)を対象とした麻疹風疹混合ワクチンの定期接種(公費負担)が始まっているのですが,集団接種ではなく個別接種と言うこともあり,各家庭に通知された年度当初こそはある程度接種を受けたものの,結局はそれほど接種率は高…

後期高齢者医療制度の行方

厚労省の「高齢者医療制度に関する検討会」の最終報告について各紙報道がされています*1。 高齢者医療で有識者が最終報告 現役の負担方法見直しも - 47news 舛添要一厚生労働相が主宰し有識者で構成する「高齢者医療制度に関する検討会」(座長・塩川正十郎…

大筋で了承

昨日のエントリで取り上げた審議会の続報です。 研修医5都府県で採用減 - 読売新聞 医師不足の一因になったとされる臨床研修制度について、厚生労働省は2日、必修の診療科数を削減することや、研修医の募集定員に都道府県ごとの上限を設けることなどを柱と…

医師の派遣とは何か

初期研修に関する文部科学省と厚生労働省の合同検討会の出した結論を踏まえてさらに具体案を固めるための会合が行われています。とにかく再来年度の4月から逆算して今年のマッチングまでには決めなければいけないためか,議論のスピードも速いですね。 研修…

レセプトオンライン化先送り

医療制度改革後退 レセプト請求の完全オンライン化先送り - 産経新聞 政府・与党は27日、具体的な治療内容や投薬名、診療報酬点数が書かれたレセプト(診療報酬明細書)請求について、完全オンライン化する時期を平成23年度から、さらに先送りする方針を…

医師の「自発的」な強制配置

強制配置論を考える - 新小児科医のつぶやき 結局のところ配置の主導権は医師による自治を表面上取り繕いながら、実質は行政主導の強制配置が可能になる構図です。上記したように研修医の意思は真っ先に消去されています。こういう提案が医師を代表する機関…

英国の家庭医制度を紹介

現在厚労省の班会議で後期研修医制度について討論されています。今のところ各方面の関係者からヒアリングを行っている段階のようですが,今回はイギリスの家庭医に現地の状況を話して頂いたとのことです。 英国の家庭医制度を紹介―厚労省研究班 - CBニュース…

オンラインレセプト義務化問題

診療報酬「電子申請義務化は違憲」医師1000人が国を提訴へ - 読売新聞 「診療報酬明細書(レセプト)」処理の電子申請の義務化は、営業の自由を保障した憲法に違反するなどとして、神奈川県や東京都、埼玉県などの医師計約1000人が国を相手取り、電…

平成版ニューディール政策?

政府与党が医療・介護分野への雇用を促進する政策を掲げるようです。 雇用創出は医療・介護重点に…政府がニューディール計画 - 読売新聞 人手不足が指摘される医療・介護分野の資格取得を支援するなど職業別に雇用創出を図る。失業の急増が問題化している非…

社会保障政策の選択肢

社会保障費を削減するという政策が導入されたこの数年,様々な問題が表面化しています。人とお金がない現場を医療者のモラルだけで支えること不可能であり,数多くの犠牲の末ようやく非医療者の方々にも実状が伝わるようになってきたのが最近の話です。これ…

健康へのインセンティブ

例によってまた麻生総理大臣の発言が各紙で取り上げられているようです。 首相、何もしない人の分なぜ払う 医療費で発言 - 47news 20日の諮問会議では、社会保障制度と税財政の抜本改革などを議論した。首相は同窓会に出席した経験を引き合いに出し「(学…

出羽の守

医療だけに限りませんが,自国の制度に関する議論をしていると「海外ではこのような優れた制度がある。日本も取り入れるべきだ」という意見が出てきます。もちろん日本より優れた実績を出している制度はあるでしょうし,その制度が一方ではどのようなデメリ…

政局とは無関係

事故調検討会再開「信じられない」―小松秀樹氏 - CBニュース 厚労省は10月3日、医療事故調査機関の創設について検討する「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」(座長=前田雅英・首都大学東京大学院教授)の第14回会合を9日の午…

在宅医療における格差

医療費抑制政策の下で療養型病床が削減され,老健施設をはじめとした介護施設が慢性的に不足しているなかで,厚労省は積極的に在宅医療を推進しようとしています。ただし,厚労省がいう「在宅医療」には「自宅」の他に「居住系施設」が含まれています。「居…

後期高齢者医療制度の見直し

「後期高齢者医療を見直し」厚労相、年齢区分廃止など検討 - Yahoo!ニュース 舛添厚生労働相は19日、自民党総裁選で選出が確実視される麻生太郎幹事長が、新首相に選ばれれば、75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度(長寿医療制度)に代わる新制度の…

屋上屋のデスマーチ

後期高齢者医療制度のシステム運用に携わる現職公務員SEさんが久しぶりにエントリを更新されていました。とりあえず生存確認ができたことは良かったのですが,現場は政治的事情による制度の変更により,さらに厳しい戦況に追い込まれている模様です。 敗戦が…

選挙と医療政策2

以前取り上げた「産科新設」を公約に市長が当選した自治体の続報です。ちなみにこの自治体を含む医療圏では,産科の2次施設である国立長野病院から医師が引き上げられたことがしばらく前に話題になっていました。 東御市民病院が婦人科外来を開設 - ある産婦…

厚生労働省の埋蔵金

厚労省は5兆円の“埋蔵金”を出せ - キャリアブレインニュース 全くもって単純な話です。約5兆円の“埋蔵金”が厚労省の中にあるのですから、それを使えばいいのです。厚労省の一番大きい埋蔵金は、雇用保険特別会計です。今まで余ったストックが5兆円くらい、フ…

医療改革と厚生労働省

医療改革―危機から希望へ作者: 二木立出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2007/11/08メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 49回この商品を含むブログ (6件) を見る小泉政権から阿部政権にかけての医療政策を分析した二木立先生の著作です。本来であれば今年度…

懇切丁寧な5分間診療4

先日の中医協で外来管理加算の「5分間」要件について医師会理事である委員から追求があったようです。事務局(厚労省)側の苦しい弁明に関してはYosyan先生のところで検討されていますので当方が追加することはないのですが,会議の場では支払側委員からも補足…

懇切丁寧な5分間診療3

<診療報酬>開業医、月平均7万5千円減 5分ルール導入で cache 同加算は、開業医や200床未満の病院を再診に訪れた患者から請求できる。厚生労働省は「基準があいまいだった」として、08年度診療報酬改定で5分ルールを導入した。しかし医療現場から…

厚労大臣から副首相へ

厚労相を副首相に任命へ 政府の「信頼回復」素案明らかに - 産経新聞 2008-06-25 cache 相次ぐ不祥事で信用が失墜した厚生労働行政を立て直すため、政府は厚生労働相を「副首相」に任命して他の閣僚よりも格上とする方針を固めた。他省庁にまたがる課題でも…